irisuinwl’s diary

サークル不思議(略)入巣次元の、数学や技術的なことを書きます。

とんかつDJあげ太郎がヤバすぎた

はじめに

最近とんかつDJあげ太郎を読みました。アニメも見ました。名前は知っていたのですが、最近やっと読みました。

 

結果、めちゃくちゃ面白くて、ものすごい衝撃を受けました。

この記事では、その面白さを語ります、あとオマケ程度にアイマスアイカツの話をしたりします(?)

 

web漫画ならばジャンプ+で4巻まで無料で見れます。

https://shonenjumpplus.com/episode/10833497643049550155

 

アニメはニコニコDアニメ会員であれば全話見ることができます。(一話なら無料で見れます)

https://www.nicovideo.jp/watch/so28641399

 

絵はすごく人を選ぶ感じですが、話は正統派ジャンプ、正統派音楽モノ作品です。個人的音楽・芸能モノで好きな作品上位はアイカツアイマス、プリパラ、ラブライブ、SB69、少年ハリウッドでしたが、そのレパートリーに入るレベルの作品でした。

あと漫画を買わなかったことを後悔してます。あの感動をもう一度噛み締めたくて何度も読み返したくなるし、単行本の解説などがあったので…

 

 

 

ヤバすぎた出会い

自分はアニメが初見なのですが、とにかく一発で魅了されてしまいました。

なんか癖のある絵だなーって思って見てたら、ひょんなことから主人公が出前でクラブに行く、扉の前で曇った音、あーこの感じすごいわかる…扉を開けると腹を貫くような重低音、照明の洪水、クラブに最初にいったときのワクワク感ってこんな感じだったなぁ、この表現力、このアニメタダモノじゃないな…そして、あげ太郎は知り合いの忍掘に出会う

 

「どうよ、初クラブの感想は?」

「最高です! 今まで味わったことない楽しい感じ!」

「だろ、皆が同じ空間でDJの選んだ最高にアガる曲を聴いて各々が好きなように時間を過ごす、こんな最高な空間はないよね」

 

あぁ…このアニメ、ガチだ…

 

(伝説のDJ ビッグマスターフライが登場するシーンもすごい、TR909やTR808といった一世を風靡したリズムマシンを思い起こす音が流れるのは、伝説のDJであるDerrick Mayを見た日のことを思い出す。)

 

そんな感動を覚えて気が付いたらアニメ12話すべて見てました。

そして、気が付いたら漫画全話読んでました。

 

Putting It All Together

この作品はジャンプ+の初期に連載された大人気作品で、アクの強すぎる絵柄に対して超正統派ジャンプ文法に従った作品です。

具体的には友情・努力・勝利(成功)というイテレーションを各編で繰り返す構成になっています。

とんかつDJあげ太郎の面白さの特徴として、短期イテレーションによる物語のアジリティ(敏捷性)と、とんかつ師とDJという二つのアイデンティティによる物語のパラレリズム(並列性)です。

物語のアジリティ

この作品は、一巻で一つの編が終わり、区切りの良い終わり方をする。

ここでいう編とは、前記したように、新しいライバルやクルーと出会い(友情)、仲間との協力やDJやとんかつ師としての鍛錬での成長(努力)、そして、クラブイベントを成功を収める(勝利)というプロセス、イテレーションとなっている。

少年漫画の人気作品だと、この一編が3巻以上に亘るのですが、あげ太郎の場合はこれがほとんど1巻に収まった結果、次へ、次へと読みたくなる構成となっている。(これをアジリティ、敏捷性と呼んでます)

この構成が、主人公あげ太郎のDJスタイルであるショートミックスという曲を矢継ぎ早につなぐスタイルと合致しており、とんかつDJあげ太郎という作品を彩っているように感じる。

(ここで自分の好きなHospital Recordsのショートミックスを紹介、曲が次へ次へと展開されて飽きさせない、楽しいミニミックスである)

 

https://www.youtube.com/watch?v=IglfgMn-YeU 

 

物語のパラレリズム

この作品の主題であり、根本的な問いに「とんかつとDJって同じなんじゃないか?」、「とんかつもアゲる、フロアもアゲるとんかつDJ」という言葉がある。

この作品はギャグなのか? と思わせるコンセプトだが、これがあげ太郎を面白くしている。

時に、とんかつ師としての着想からDJとしてのスキルへ、DJとしての着想からとんかつ師としてのスキルへと伝播していく。

時に、とんかつ師としての道、DJとしての道、その両立は可能か悩む。

時に、とんかつDJとしての自分が何を為せるのか苦悩する。

このとんかつ師という道、DJという道をお互いにリンクする構成が物語を最高に加熱させる。

この構成はDJという二つのディスク、波形を繋ぎ合わせていくという動作に連携しているようで、恰もDJの面白さを物語で表現しているようだ。凄まじすぎる

(ここで、世界で初めてサンプリングのみで作られたアルバム、DJ ShadowのEndtroducingからMidnight In A Perfect Worldを掲載)

 

https://www.youtube.com/watch?v=InFbBlpDTfQ&list=OLAK5uy_lA4P3neYe5g7f9Vs7VD0oCYHcEPytjupI&index=13

 

つまり

本当にオススメです

クラブカルチャーが好きな人、音楽・芸能モノが好きな人、成長物語が好きな人、とんかつが好きな人、皆に見てほしい作品です。

そして、きっと読み終わったころにはとんかつが食べたくなってクラブに遊びに行きたくなるはずです。

(はやく新型コロナウイルスが収まってクラブやライブハウスに遊びに行きたいです…)

 

 

 

 

なんとなく、アイドルアニメイズムを感じる

これはオマケみたいなものです。

 

これは勝手な想像だが(いままでも勝手な解釈だったけど)、なんとなくアイドルアニメの面白さと似たものを感じる。

特にアイカツアイマスの面白さと似た香りが作品に感じます。

(というか、好きなので語ります。)

 

アイカツは、女児向けアイドルアニメでありながら、アイドルが如何に業界に関わるかというドキュメンタリーや、主人公たちはアイドルというキャリアをどう進むか、そして、アイドルというプロフェッショナルの道をどう歩んでいくかという、アイドルという職業に真剣に向き合ったアイドルアニメです。

特にアイカツはお互いの立場による衝突はあるけども、悪い人は居ないという素晴らしい作品の特徴を持っております。

 

このプロフェッショナル観やキャリアをどうするかという部分があげ太郎にも強く表れています。とんかつ師・DJのプロフェッショナルとしての行動やマインドセット、そして、更に自己実現のためにどういったキャリアを歩んでいくかというのが色濃く描かれているのが類似していると感じました。

あげ太郎も、悪い奴が居ないのが特徴で、物語に清涼感を与えてます。(イケノスケ君とかはちょっとあれだけど…)

 

【余談】ちなみに自分が一番好きなアイカツのシーンは、95話、ドリームアカデミーが設立した経緯(アイドルとしての多様なキャリアをマネジメント・経営によって支える夢)と、それを達成できたのはセイラのお蔭だ、と語る所です。アイカツagehaやwombでもDJイベやったし、あげ太郎との親和性もあると思う(と勝手に思っている)

 

アイカツの曲はもうすべて大好きだし、クラブアンセムっていうとKIRA☆PowerやEpisode soloとかを推したいところ

 

https://www.youtube.com/watch?v=wKQkumQPui8

https://www.youtube.com/watch?v=7kUcUetEGrU

 

だけど、ここはprism spiralを挙げたい

https://www.youtube.com/watch?v=EPjX6036Ves

 

一方、アイマスは、アイドルというプロフェッショナルとしての自分と、少女のアイデンティティにフォーカスが当てられます。

特に、仕事をしていく上でマクロ環境など様々な要因で、自己とのコンフリクトが生じ、葛藤し、自己を貫いた先にある少女の姿にフォーカスが向けられています。

キャラの内面に逼迫し、彼女たちの成長を目の当たりにするので、キャラクターをめちゃくちゃ好きになってしまうような作品だと考えてます。

天海春香の全員でステージに立ちたいという思いや、島村卯月の仲間達が次々と活躍し始める焦燥や、真乃めぐる灯織の感謝祭へ向けてのアイドルとしての矜持や、そういった思いを乗り越えて輝く少女の姿にフォーカスが当たる作品だと考えてます。(WIP: Mマスやミリオンの話も書きたい)

 

あげ太郎にも自己表現する描写や、コンフリクトが生じ、自己を貫くかの選択を迫られる場面があります(「この曲でフロアをアゲたい」という話や、とんかつ師とDJを両立を迫られる話、アニメの最終話など)

そのコンフリクトを乗り越えて成長する姿が、あげ太郎の一つの魅力としてあるのだと思います。

 

【余談】アイマスは2の雪歩コミュで感動したのがきっかけだけど、最近だとシャニマスが良すぎる…W.I.N.G編で困難を乗り越えて輝いた担当アイドルを見たとき、こんなにも号泣するとは思わなかった。感謝祭編は充足という言葉以外見当たらない…アイマス文法ともいえるアイドルと自己とのコンフリクト克服という流れが無い、放クラ感謝祭もボロボロ泣いたし、凄まじすぎる…

アイマスアイマスDJって一ジャンルが出るほど曲数が多いのでどれを挙げればいいのかわからないが、やはりアニソンクラブアンセムの代名詞的なPon De Beachを挙げないといけない気がする

https://www.youtube.com/watch?v=S0zJl_dhzJc

でも、新しいシャニマスの音楽を勧めたいので、クラブユースな夢咲きAfter schoolを推したい。

https://www.youtube.com/watch?v=lw5WSonuhHw

 

色々書いたけど、良い作品には同型の構造がある気がする。それを明らかにするには自分は未熟すぎる。

つまり ver2

とにかく、とんかつDJあげ太郎がヤバすぎた。

全人類見てほしい。