DavisのNSAのメモです。
Dover publ. M.Davis, Applied Nonstandard Analysisを読んでます。
今は、Losの定理を証明して、concurrence theoremを証明し、自然数の超準集合に、無限大元が存在することを示したところです。
これを使えば、自然数についての関係について、超準元(無限大元)が存在することが言えます。
Concurrence Theorem: をuniverse, を上のconcurrence関係として、どんなについてもとなるが存在する。
ここで、concurrenceな関係とはについて、となるが存在することである。
今回は、p37最初にある
が有限であればに超準元は存在しないことについて考えていきます。
まず、単純にのconcurrence theoremでやった議論を有限集合でやったら矛盾が起きるかと思ったらそうではありません。
たとえば、としたらについてconcurrence theoremを用いると超準元であり標準元であるについてとなります。
ここで、示したい主張を以下のように言いかえます。
もし、individual集合が有限であれば、超フィルターからの同値関係に対して である。
まず、について証明してみます。
は明らかなので逆を示します。
の元の標準表現をそれぞれ
\[
0=0 ^ I,\ \ 1=1 ^ I
\]
として、任意のについて、
\[
S _ {a,0} = \{ \delta | a_ \delta = 0 \} ,\ \ S _ {a,1} = \{ \delta | a_ \delta = 1 \}
\]
とします。
すると、であり、
もし、ならば超フィルターは補集合を元として含む(Applied NSAのTheorem 2.4)のでとなります。
では、同じ発想で一般の有限集合について証明します。
の時と同様に任意の対してと定めるととなる。
よって、
\[
1 = \mu _ F (I) = \mu _ F (S _ {a, s _ 1} \cup \cdots \cup S _ {a, s _ n})
\]
となるので、超フィルターによって定められる測度の有限加法性(あるいはすべての値が0であればとなる Theorem2.6を背理法に使う)により、となるが存在する。