irisuinwl’s diary

サークル不思議(略)入巣次元の、数学や技術的なことを書きます。

ハッピーになりたいんだよね

しょばろ関連の記事ではなく書評です。

丹羽真理 パーパスマネジメントを読みました。

今ならKindle Unlimitedで読むことが出来ます。

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内容としては、著者の会社で取り組んでる新しいマネジメント、社員の幸福を最大化するパーパスマネジメントを紹介、方法を解説した本となってます。

自分は、会社の人がこの本を紹介していたので、読んでみました。

 

感想

感想としては「まあ、そうだろうなぁ」と思いました。幸福でないと感じるなら会社にフィードバックするし、それでも改善されないなら転職することを上司に明言しているので、幸福であることは働く上で当然だと思うからです。

ここらへんは終身雇用性が変わろうとしている昨今では当たり前な気がします。

しかし、マネジメントをする立場の人間には、業務を行い、どれだけの利益を生み出すか、業務を遂行できるか、社会的にどのような影響を与えるか、など会社を成長する上でのビジネス指標を重視し、幸せはあまり着目されないので、新鮮な本だと思います。

(もちろん社員の働きやすさを重視した会社はあるけれども)

そういう意味で働き方改革をどう進めるか考えるヒントになる本だと思います。

また、こういう書籍の形で、社員は幸せになるべきだ、という主張があるだけで、全国の虚無のサラリーマンが勇気づけられるという意味で、非常に素晴らしい取り組みの本だと思います。

内容の解説

まずはじめ、仕事は辛いものであるという考えを捨てる、残業規制、ノー残業デーなどの形式だけの働き方改革に異議を申し立てるところから始まります。(1章)

そして、何故社員が幸福になるべきかを説明しています。

さらに、社員が幸福になることで生産性があがる研究を紹介し、社員の幸せを追求することの価値を説明します。(2章)

ここで、心理学で生産性や創造性をバフすることに着眼した「ポジティブ心理学」で有名なショーン・エイカーの「幸福優位7つの法則」やハーバードビジネスレビューの「幸福の戦略」が紹介されてます。

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では、社員が幸福になるためには会社は何が必要か? それは社員それぞれの人生の意義(パーパス)を持ち、会社自体の存在意義が社員の人生の意義と合っているかが大事になることを強調してます(3章)

ここで、ティール組織(著作、組織の形態を色で例えて、最上の自己成長的な組織をティールとする組織体系)が強調している組織の存在意義についても言及してます。

ティール組織についてさらっと知れて良い章だと思いました。

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そして、4章では、幸せを4つの要素Purpose(存在意義)、Authenticity(自分らしさ)、Relationship(関係)、Wellness(心身の健康)に分類します。(4章)

「自分が異議を感じられる仕事を、自分らしく、周囲とよい関係を築きながら、実現できること。そのための土台として心身の健康が備わっていること」

と表現してます。

そして、最後にパーパスマネジメントするためのツール、CHOという役割や、会議の初めにお気持ち表明するチェックインや、ありがとうの気持ちをメッセージで伝える感謝ポストなどのツールを紹介します。(6章)

(言葉で書くと異色すぎて宗教チックで辟易するけど、日常の些細な感謝や、自分の気持ちを伝える行為は大切ですので、やってもいいなと思いました。うちの会社では、名前さえ異なるけど、全て取り組んでることでした。)

ところで、幸せとは何かを解説したTEDトークを最近見ました。その中でもパーパスは取り上げられていましたね。

やっぱり考えることは皆似ているなぁ…と思います。

総括

最初、異色に思える神秘性を感じて辟易しますが、エビデンスとなる周辺の研究や報告、書籍などを参照しつつ、幸せを考慮したマネジメントの根底と実践を解説した本となってます。

文章が非常に読みやすいので、すぐ読めてしまいました。

最初に言ったように、このように分かりやすい記述で、社員の幸せを重視することを啓蒙したということが、素晴らしい取り組みだと思っております。

インターネットを見ると、クソみたいなブラック業務の炎上話やら、人生クソすぎる話が目につき、自殺者が年々増加して、ほぼ毎日人身事故が起きてるような昨今ですが、心から全世界の人間が幸福になってほしいと思ってます。

これを境に、仕事は辛く厳しいものだという考えが消えて、仕事は自分が幸せになるためのものだ、それが常識だ、という社会になってほしいです。

仕事に留まらず、人生は幸せになるためのものだ、折角の一度きりの人生なんだから日々刺激的で、幸福な日々を送るべきだ、と全国の人が言える未来を目指していきたいです。

(俺だって苦しいの嫌だし、幸せになりたいのは自明で、苦しむために生まれたって意味わからんしね笑)

マネジメントの本だけど、セルフマネジメントの観点から、人生を幸せに送るためにはどうするかのヒントとなるような本だと感じました。